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トヨタ・シエンタはスペック的に加速性能は期待できません。しかし、ミニバンの性格上、燃費、車中泊などでライバルのフリード+と比較するポイントは多いのでまとめました。
この記事の内容(目次)です
トヨタ・シエンタのスペックで注目する点
トヨタ・シエンタのスペックは、平凡でシエンタ単独で注目するポイントはありません。ライバルのフリードと完全に1対1で真っ向勝負を繰り広げていて、注目するべきは「両車のスペックの差」となります。
ここでは寸法・重量、エンジン+モーター性能、トランスミッション、燃費をそれぞれ表にまとめてみました。基本的に、最も売れ筋と思われる【ハイブリッド 7人乗り 2WD(FF)】に関して調べました。また、注目ポインとなる「車中泊」の可否については、これなら車中泊OK!と合格点が与えられている、5人乗りモデルFUNBASEとフリード+の比較を行います。
比較車両:シエンタ ハイブリッド G Cuero 2WD vs フリード G ホンダセンシング 2WD
(車中泊に関してはシエンタFUNBASE vs フリード+ G ホンダセンシング)
【寸法・重量】
シエンタ | フリード | |
全長(mm) | 4260 | 4265 |
全幅(mm) | 1695 | 1695 |
全高(mm)※ | 1675 | 1710 |
車両重量(kg)※ | 1380 | 1430 |
シエンタの全高はフリードに較べて35mm低くなっており、車両重量が50kg軽くできた要因になっています。ママさんドライバーにも運転しやすい低床化の効果が出ています。もちろん「軽い」と言うことは、燃費に非常に有利です。
【エンジン・モーター性能】
シエンタ | フリード | ||
エンジン | 最高出力(PS)/ rpm※ | 74.0 /4800 | 110.0 / 6000 |
最大トルク(kgf・m)/ rpm | 11.3 / 3600~4400 | 13.7 / 5000 | |
モーター | 最高出力(PS)/ rpm※ | 61.0 / 公表なし | 29.5 / 1313~2000 |
最大トルク(kgf・m)/ rpm | 17.2 / 公表なし | 16.3 /0~1313 | |
合計 | 最高出力(PS) | 135.0 | 139.5 |
最大トルク(kgf・m) | 28.5 | 30.0 |
トータルの最高出力を見るとシエンタ / フリードで135ps / 139.5psと大差はありませんが、エンジンとモーターの分担が大違い。エンジン出力ではフリードが36ps上回っていますが、モーター出力では逆にシエンタが31.5ps上回っています。
この結果より、口コミとカタログ値で、圧倒的に違う評価のふたつが浮かび上がってきます。
・(口コミ)高速の追い越しなどのシーンでは、シエンタよりフリードの方がきびきび走る
高速走行中はモーターのアシストが弱くなるので、追い越しの時など、高速からの更なる加速が必要な場面では、エンジン出力に多く配分しているフリードに軍配が上がります。
・(カタログ値)市街地燃費は圧倒的にシエンタが優れる
市街地の走行では、信号のストップアンドゴーや、スムーズに流れている、流れが滞っている、などの状況でアクセルのオンオフが頻発します。このような状況下での燃費は、低速域で威力を発揮するモーターのアシストが大きいシエンタに有利になります。
【燃費性能】
シエンタ | フリード | |
JC08モード(km/L) | 28.8 | 27.4 |
WLTCモード(km/L) | 22.8 | 20.8 |
市街地モード(km/L)※※ | 22.7 | 17.7 |
郊外モード(km/L) | 23.9 | 21.5 |
高速道路モード(km/L) | 22.1 | 21.9 |
全体に燃費に優れるシエンタの姿がカタログ値から判ります。原因はモーター出力の配分を高めていることにありそうです。特に、WLTCモード、市街地モード、郊外モードなど、アクセルのオンオフが頻繁に繰り返される燃費モードで優位を誇っていますね。モーターに頼った省エネ運転か?エンジンに頼ったきびきびと爽快な運転か?ドライバーの好みの問題となってきます。
【車中泊性能】シエンタFUNBASE vs フリード+
・3列シート仕様
全長がほとんど変わらない2車ですが、決定的な違いがひとつあるのです!それはフリードは「ヘッドレストを取り外して、前列シートを倒せばフルフラットになる」と言うこと。と言っても、これだけでは長さは足りないので、快適な仮眠程度で、車中泊はまだまだ厳しい状況です。
これは、両車ともに、2列目シートを前に倒すことで
シエンタ:約2000mm(2m)
フリード:約1900mm(1.9m)
程度の広大なスペースが出現するため、大人ふたりであれば「足を伸ばしてゆったりと車中泊」が可能となっています。前席シートとの間にすき間ができますので、何か詰め物をするなり、少しの工夫で快適な車中泊が可能になります。
トヨタ・シエンタの乗り心地はどう?グレード差はあるの?
シエンタは「プチバン」とも呼ばれるようなコンパクトミニバンです。排気量こそ1500ccですが、車重が1300kg~となり、セダンのようなバランスの取れた乗り心地は望むべくもありません。
車重が重たい分サスペンションは硬めのセッティングにする必要があります。しかし、それでは、路面の突き上げ感がダイレクトに乗員に伝わってきます。サスペンションの最適化にはショックアブソーバーも重要な役割を担いますが、車重が重すぎて充分に煮詰めることはできないのでしょう。
また、徹底的な低床化によって、全高はコンパクトミニバンの中では低めに抑えられていますが、セダンに較べたら「背高のっぽ」であることは間違いありません。その結果、コーナーリング時のロールも大きめになってしまいます。これを緩和するためには、サスペンションのセッティングを「快適志向」と逆に振らなければなりません(スポーツカーを想像してください)。
従って、シエンタの乗り心地に関しては、柔らかな乗り心地で快適~フワフワしている~ゴツゴツして固い、まで千差万別、ユーザーの車歴にも影響を受けて、まとまらない結果になっています。そんな状況が反映されていますが、乗り心地に関する口コミを抜粋してみます。
・フワフワしている
トヨタ車で評判の悪い「フワフワした乗り心地」です。高速道路を法定速度(100km/h~120km/h)程度で走っていても、浮き上がり感があって不安定です。その代わり、一般道の低速域では、路面の荒れや段差による「突き上げ」を良く吸収してくれています。
・しっかりした乗り心地にまとまっている
少し硬めかな?と思うドライバーもいると思いますが、自分のような運転が好きなドライバーにはしっかりとした乗り心地で合格点を与えられる。半面、山道などのコーナーでは、足回りの踏ん張りが効かず、大きくロールします。ファミリーカーなので仕方ないのかな?
・3列目のシートが・・・
運転席と助手席は前方視界も広く、背があまり高くないママさんにも運転しやすいです。2列目はスライドさせれば足元広々ですが、3列目だけはどう工夫しても狭いです。長時間は絶対ムリ!後ろの方に位置しているためか?跳ねる感じも強いそうです。
・ガソリン車でも意外と静か
加速時はそれなりにうるさいけど、郊外路や高速道路で巡航中は予想以上に静か
乗り心地に関しては、グレードによる差と言うより、5人乗り(ファンベース)と7人乗り(4WDは6人乗り)で差があり、「3列目シートの有無」が原因です。3列目シートがなければ、狭苦しくて長時間のドライブは子供でも無理、最後尾の座席だから跳ねるのはやむを得ない、と言った苦情は出ません。逆に、どう頑張っても6人以上は乗車できませんので、万が一の場合は、タクシーや公共交通機関との併用と言う事態になります。シエンタを利用するシーン別にユーザーが個別に検討することです。
トヨタ・シエンタの加速性能は?エンジン音や加速感
シエンタは「スタートから100km/h到達までの時間」(かつてはゼロヨンと言って、スタートして400mを何秒で走るのか?と言う指標もありました)をどうのこうの言う車ではありません。
ただし、ハイブリッド車では、モーター出力の比重が大きいので、一般道でのストップアンドゴーの繰り返しでは、ガソリン車に比べればスムーズで活発な印象を受けるでしょう。とは言っても、重量級なので、ハイブリッドセダンや、ガソリンエンジンの出力が大きいフリードなどのような軽快感は感じられないでしょう。
このように加速感は感じられないため、ついつい、アクセルを踏み込みがちになり、エンジンは唸るものの、音質がマイルドで不満は少ないです。耳障りではない音質のエンジンの音は「サウンド」と捉えるユーザーも多くて、一概に弊害ばかりとも言えません。
ガソリン車では「2NR-FKE」と言う型式のエンジンを搭載していますが、このエンジンの素性の良さが、立ち上がりの緩やかでマイルドなエンジンサウンドを提供してくれているようです。残念ながら、高速の追い越しなど、アクセルを深く踏み込むような状況では、それなりの「騒音」が発生します。
一方、ハイブリッド車は、「1NZ-FKE」と言うAQUAと同じ形式のエンジンを搭載してます。最高出力も最大トルクも全く同じスペックですが、車両重量が200kg以上シエンタの方が重たいために、制御用コンピューターのプログラムをシエンタ専用にチューニングした結果、モーターモードでの走行が少なくAQUAほどの燃費は期待できません。
このために、出足は比較的キビキビしていて口コミでの評価も良くなっています。ただし、高速での追い越しなどでは、モーターのアシスト量が相対的に弱くなるため、エンジン出力で引っ張る形となり、ガソリン車同様に騒がしくなるようです。
このようにシエンタは、ファミリーユースを前提としたコンパクトミニバン(プチバン)であり、カタログスペックとにらめっこをして、加速はどうだろう?コーナリング性能は?ワインディング道路を気持ちよくドライブできるかな?と動力性能に思いをはせるカテゴリーの車ではありません。
ユーザーが使い方を考えて、シートレイアウトを決定して、常に大切な人を乗せていることを自覚して安全運転でドライブする車ではないでしょうか?
下取りより一括査定サイトでの買い取りが断然お得!
ディーラーの「下取り」額は不満では?
一括査定サイトで高価買い取りを目指す!ディーラーでは30万円の下取りなのに
買取業者では60万円以上になることも!!