トヨタ・シエンタの不具合情報を調査。リコールはあったのか?

トヨタシエンタは信頼性の高いトヨタの車ならでは!特有の不具合の報告は少ないです。もちろん皆無ではありません。この記事では「電動ドアミラーの不具合」をはじめ、いくつかの不具合について解説しています。

トヨタ・シエンタのユーザー目線での不具合とは?

「ユーザー目線での不具合」って、なんだか大げさな表現ですが、リコールクラスの大規模な不具合と分離するために使わせて頂いています。

例えば、「電動ドアミラーの不具合」はかなり大掛かりな不具合で、アクアなど他車種でも症状が出ています。「電動ドアミラー」が「電動」では開閉できなくなるというものです。

ドアミラー内部の樹脂部品(リトラクター)が、直射日光などで周囲の温度が上昇すると、一時的に膨張して動きにくくなり、ついには開閉に支障が生じるというものでした。

2015年5月から2016年9月までに「生産」されたシエンタ(ガソリン、ハイブリッドによらず)が対象となっています。「購入」した期間ではないことは注意が必要です。

この場合、不具合としては「事故に直結する」ものとは呼べないまでも、ユーザーにとってはとても不便な状況になるため、2017年に、トヨタは無償修理期間の延長で対応しました。

【 従来の保証期間 】新車を登録した日から3年または6万Km以内
               ↓
【 無料修理対応期間 】新車を登録した日から7年以内(走行距離は問わず)

引用:https://toyota.jp/recall/kaisyu/170821.html

その他の不具合としては、口コミサイトなどで

  • 加速不良
  • CVTの不具合
  • パワースライドドアの不具合

などをよく見かけますが、加速不良については、電動ドアミラーと同様にトヨタでは「インテークマニホールド」という吸気関係の部品を対策品に換装することに加えて、エンジン周りのコンピューターである「ECU」のプログラムを書き換える対策を無償で実施しています。

原因もはっきりしていて、対策品まで準備するということは、トヨタも非を認めているわけだから「リコール」では?と疑う方もいらっしゃるかと思いますが、リコールというのは「道路運送車両の保安基準」に適合していない場合に適用されるもので、「加速不良(出足が悪い)」ではあてはまりません。

CVTやパワースライドドアの不具合は、多くは経年劣化に関わるもので、ユーザーのメンテナンスなどにも影響を受けます。シエンタに限らず、最近の車は、電動(ウィンドウ、スライドドア、バックドア、などなど)部品が多く、それだけ不具合が起きた時の修理費は高額になる傾向があります。

製造過程に原因がある不具合は、多くの場合、メーカーでも現象を把握しており、遅かれ早かれ「無償修理」などの対策を行います。また、個々の車に起こる不具合についても、エアコン、カーナビなど走行に直接影響しない一般保証は3年または60000km、エンジン、ブレーキなどの走行に直結する特別保証は5年または100000kmと、保証制度は充実しており、通常の電化製品よりは長期にわたり保証を受けられるシステムになっています。

トヨタ・シエンタが受けた最新リコール情報

2019年6月26日に、2015年から2018年にかけて生産されたトヨタシエンタハイブリッドの一部が、国土交通省へリコールの届け出が提出され、トヨタは同年6月27日付で公表しました。リコールの内容はエンジン破損につながる恐れのある重大なものでした。

不具合の状況
ハイブリッド車において、エンジンルーム後部に取付けているカウルルーバの防水構造が不適切なため、集中豪雨など多量の雨水がかかった場合、水がエンジン上部に滴下して、インジェクタ取付け部から燃焼室に浸入することがあります。そのため、コンロッドが変形して異音が発生し、最悪の場合、エンジンが破損するおそれがあります。

引用:https://toyota.jp/recall/2019/0626_2.html

わかりやすく言うと、大量の降雨の際に、ワイパーの付け根の黒い樹脂から雨水が侵入し、ボンネット裏を伝ってエンジン上部にしたたり落ちるという不具合現象です。落下した雨水は「インジェクター」と呼ばれる燃焼室の中に突出している燃料噴射装置のすき間からエンジン内に侵入するため、燃焼室内で異常爆発を誘発して、コンロッドを損傷させたり、最悪の場合、エンジン破損を誘発しかねません。

エンジンは「完全防水」とのイメージが強いと思いますが、空気を導入して燃焼させていることからも、完全防水ではありません。そのため、必要な場所は防水カバーなどで保護しています。しかし、ボンネットでおおわれているエンジンの直上から水滴が落下することは一般には考えにくく、今回のように、防水の甘かった部品のすき間から侵入した雨水が、想定外のエンジン上部に滴下したために起こった不具合だと言えます。

トヨタでは、対策としてカウルルーパに水漏れ防止のシーリングを施し、さらに、全車両のエンジンに防水カバーを追加設置する措置を講じています。さらに、コンロッドの損傷が小さな場合は、エンジン本体の不具合に発展しているのか?外観からは判断できないため、燃焼室の点検を行う念の入れようです。

今回のリコールの規模は13万台以上に上ります。約3年半の間に間に生産したシエンタハイブリッドの全車両が対象になります。念のため、対象車両について記載しておきます。

  • 型式:DAA-NHP170G
  • 車台番号:NHP170-7000016~NHP170-7138943
  • 製作期間:平成27年 5月 7日~平成30年 9月 3日
    (購入期間ではありません)
  • 備考:ハイブリッド車

トヨタ・シエンタの不具合やリコール対策状況

先の2記事「トヨタ・シエンタのユーザー目線での不具合とは?」と「トヨタ・シエンタが受けた最新リコール情報」では、ともに最近の不具合やリコールについてまとめていますが、2015年に発売開始した現行シエンタは、2018年11月にもエアバッグに関するリコールを国土交通省に提出しています。最悪の場合、事故に遭遇していなくてもエアバッグが膨らんでしまう、という不具合です。

不具合の状況
エアバッグコントロールユニットにおいて、電気ノイズの影響に対する検討が不十分なため、ノイズ耐力が不足しているものがあります。そのため、車両の電装部品から発生するノイズにより、使用過程で当該ユニット内のICチップが損傷し、最悪の場合、走行中にエアバッグが展開するおそれがあります。

引用:https://toyota.jp/recall/2018/1101_2.html

エアバッグの不具合と聞くと、2000年初頭に起きた「タカタ」の問題はまだ尾を引いているのか?と思い出される方もいらっしゃるのではないでしょうか?ただ、今回はトヨタの説明で「ICチップの損傷」とされており、タカタのように部品にヒビが入っていて異常破裂した、という不具合とは別件となります。とは言え、走行中に衝撃も受けていないのにエアバッグが勝手に開いてしまうのは危険極まりないですね。

トヨタが発表した不具合の状況によると、ICチップ(いわゆる集積回路とか半導体素子)の損傷による不具合ということです。周辺電装部品からの電気的ノイズによるものとの説明どおり、突発的な電気ノイズを逃す機構に不備があったものと思われます。

トヨタでは、対象となった全車両に対して、当該ICチップが組み込まれたエアバッグコントロールユニットを対策品に交換しました。小さなICチップひとつに至るまで、不具合があれば対象車の車台番号を割り出して的確に対策できる生産管理には驚かされます。

現行型シエンタは、リコールや、シエンタ特有の不具合の少ないよくできた車だと思います。ただし、ハイブリッドをラインナップに持ち、電動スライドドアなどの電装品も多く、個体としての不具合はそれなりに発生しているようです。洗車のついでに各部をチェックしたり、今は義務ではなくなっていますが、車検の合間に12か月点検を受けるなど、適度なケアを心がけて、安全で楽しいドライブを楽しみたいものです。